5月1日、日本プロ野球選手会が今年度の年俸調査の結果を発表しました。
各球団の年俸合計をランキングにすると以下のようになっています。
順 球団 年俸合計 平均年俸
1 福岡ソフトバンク 42億800万円 7013万円
2 巨人 36億8653万円 6043万円
3 阪神 25億3878万円 4162万円
4 東京ヤクルト 22億4200万円 3737万円
5 北海道日本ハム 21億9774万円 3488万円
6 千葉ロッテ 21億7107万円 3446万円
7 埼玉西武 20億3557万円 3283万円
8 オリックス 19億6804万円 3336万円
9 東北楽天 19億4986万円 3196万円
10 中日 18億1390万円 2926万円
11 広島 16億8806万円 2767万円
12 横浜DeNA 15億8622万円 2600万円
これを見ると、昨年日本一に輝いた広島カープの選手は、年俸総額では下から2番目。
これを見ただけで、コストパフォーマンスに非常に優れた球団だ、とわかりますね。
広島カープは12球団で唯一、親会社を持たない球団です。
球団名が広島東洋カープですから、一見すると親会社があの車のマツダの旧社名「東洋工業」かと思ってしまいますが、東洋工業は単なるスポンサー。
つまり、球団経営が赤字になったらどこからも補填してくれない身分ですから、選手の年俸はソフトバンクや巨人軍のように「いくらでも」と言うわけには行きません。
ですから選手の獲得方針は、素質のある選手を見抜き、入団させてから鍛え上げて一流選手に育てる、というのが一貫しています。
さらにFAで選手が出ることはあっても、FAで入団させることはない、それも広島の特色です。
しかしこの広島という球団は、どんなデータを見ても低年俸の球団でありながら、選手が「育ててもらった」「無名なのに見いだしてもらった」と恩義を感じ、愛着を感じさせる球団でもあることが常識となっています。
その最も際立つ例が黒田博樹のメジャーリーグからの数十億の年俸を断って、「選手生活の最後は広島で」と日本球界へ復帰したニュースでしょう。
そして昨年のぶっちぎりの優勝。
私は、狂がつくほどの阪神タイガースファンですが、広島の選手の活躍を見ていると凄く羨ましく思って見ていました。
スカウトの見るところが良いのか、獲得する外国人選手はほぼ間違いなく活躍するし、無名で入った選手が、例えば丸選手や菊池選手がいつの間にか一流選手になっているその経営方針が羨ましく思えて仕方ありませんでした。
だから、昨年から金本知憲さんが監督になって、か細い若手を鍛え上げて、戦える集団を作ろう、と意識改革を言い始めた時に、多くの阪神ファンは喜んだと思います。
あの広島カープの選手を鍛え上げるチーム作りを、我が阪神タイガースもしていることは、将来的に絶対にプラスになる、と私は断言します。
それからはドラフト戦略も大幅に変わったし、昨年の戦い方を見ていると若干の不安はありましたが、今年の若手選手の活躍を見ていると、今のチーム方針には大賛成です。
阪神タイガースが、広島カープの選手育成方針を大幅に取り入れて強くなれば、金満に任せて選手を獲得し続けているどこかの球団も、考え方を改めるかも・・・
今は、日本ハムも年俸が高額になるとすぐに放出、という明確な方針を持っています。
どこの球団も、これからはいたずらに年俸を上げるだけで無く、思い入れのある選手が活躍することで、ファンが思わず球場に足を運びたくなる、そんな球団を作ることに熱意を持ってほしいですね。