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ラジオ英会話 Lesson 201 仮定法の心理

Lesson 201 仮定法の心理

レッスンのポイント

今月は「仮定法」と「it の使い方」です。まずは「仮定法」から。仮定法は「可能性が著しく低い・全くない」という話し手の心理を表す特別な「時表現」。形と心理がシンクロしていることを楽しみながら学習を進めましょう。

Today’s dialog

高校生のサムとマーサが兄弟の話をしています。

Sam: Hi, Martha. What are you watching on your smartphone?

Martha: This is a selfie movie I took of my sister and me.

Sam: Can I see? Oh, she looks like you.

Martha: Everyone says that. Do you have any brothers or sisters, Sam?

Sam: I have three brothers.

Martha: Three brothers! Wow, it must be tough for your parents.

Sam: I suppose so. They’re kind but strict.

Martha: I wish I had a brother.

Sam: Really? Why?

Martha: My friend Misuzu has a younger brother, and they have a great relationship.

Sam: You have a sister and get along well with her, right?

Martha: Yes, but I’d like a cool brother, too.

英訳練習

本日のテキストを英訳してみましょう。文章をクリックすると英文例が表示されます。

やあ、マーサ。スマートフォンで何を見ているんだい?
Hi, Martha. What are you watching on your smartphone?

これは、私が妹と私を写した自撮りの動画よ。
This is a selfie movie I took of my sister and me.

見てもいいかい?おや、彼女は君に似ているね。
Can I see? Oh, she looks like you.

みんなそう言うわ。サム、あなたにはきょうだいがいるの?
Everyone says that. Do you have any brothers or sisters, Sam?

僕には男の兄弟が3人いるよ。
I have three brothers.

男の兄弟が3人ですって!まあ、それだとあなたのご両親は大変ね。
Three brothers! Wow, it must be tough for your parents.

そうだろうと思うよ。両親は優しいけど、厳しいところもあるんだ。
I suppose so. They’re kind but strict.

私も男の兄弟がいたらいいのに。
I wish I had a brother.

そうなの?どうして?
Really? Why?

私の友達のミスズには弟がいて、とても仲がいいのよ。
My friend Misuzu has a younger brother, and they have a great relationship.

君には妹がいて、彼女とはうまくいっているんだよね。
You have a sister and get along well with her, right?

ええ、でも私にはかっこいい男の兄弟も欲しいのよ。
Yes, but I’d like a cool brother, too.

WORDS & PHRASES

selfie   料理
tough   パエリア(スペインの炊き込みご飯)
have a great relationship   パエリア(スペインの炊き込みご飯)
look like   パエリア(スペインの炊き込みご飯)
cool   料理の本

For Deeper Understanding ~より深い理解へ~

これは、私が妹と私を写した自撮りの動画よ。
This is a selfie movie I took of my sister and me.

関係代名詞による修飾。I took の後ろ、took の目的語が空所、そこに a selfie movie が組み合わされ「私が撮った自撮り動画」となります。of 以降は何の動画なのかについて説明。

君には妹がいて、彼女とはうまくいっているんだよね。
You have a sister and get along well with her, right?

get along well with は「~とうまくやっている、気が合う」。along のイメージが生きています。along は「(細長いモノに)沿って」。お互いが寄り添いながらやっている、ということ。

REAL GRAMMAR FOR COMMUNICATION~会話に役立つ文法~


男のきょうだいがいたらなぁ。
I wish I had a brother.

wish(願う・~であればなぁ)は後続の節が仮定法の形をとる動詞です。仮定法は「事実と異なる・可能性が低い」こと(反事実)を表す形。この文からは話し手の「実際には男のきょうだいはいないけれども」が伝わります。「(今)男のきょうだいがいたら」と現在のことについて述べているのに、使われている動詞は過去形 had であることに注意しましょう。現在のことについて過去形が使われる~時表現をバックシフト(=後ろにずらす)~これが仮定法の取る形の特徴です。

次の例を。


ギターを弾けるかい? – 弾けたらいいなぁって思うよ。
Can you play the guitar? – I wish I could.

「実際には弾けないのだけれど」と反事実が含まれた文。さて、それではなぜ仮定法では反事実であることを表現するためにバックシフトが行われるのでしょうか。それは「距離感」。過去形の表す「過ぎ去った遠くの出来事」から生まれる「距離感」のニュアンスが、過去を表さない次の使い方につながりました。


お金をいくらか貸していただけるとありがたいのですが。【丁寧表現】
I hope you could lend me some money.


クリスなら直せると思うなぁ。【控えめな過去の助動詞】
Chris could fix it, I think.

「今望んでいるから」距離をとり丁寧な印象を与える hoped。could は「できるよ」という強い主張から離れ「できるのではないかなぁ」。どちらにも距離が生きています。

GRAMMAR IN ACTION  ~文法の実践~

wish(~であればなぁ)と仮定法を組み合わせる練習をしましょう。時表現をバックシフトするのがポイント。

①もう少し長くいられたらなぁ。
I wish I could stay longer.

動詞は wish。その内容、後続の節は過去形。「これで「(実際にはできないけれども)できたらいいなぁ」と現在についての反事実を表すことができます。

②もう少しだけ内気じゃなかったらなぁ。
I wish I were a little less shy.

実際は話しては内気な人。「(事実と異なって)そうじゃなかったらなぁ」という文。wish の後続の節が過去形 were となっています。

③僕の学校にそんなにたくさん校則がなかったらなぁ。
I wish my school didn’t have so many rules.

事実に反する願望です。バックシフトをして didn’t を使いましょう。

CHECK THE POINT  ~練習問題~ 

(実際はそうではないが)お金持ちだったらなぁ。
I wish I were rich.

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