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ラジオ英会話 Lesson 152 受動態⑧ 受動態の使いどころ

Lesson 152 受動態⑧ 受動態の使いどころ

レッスンのポイント

受動態についての学習は今回が最後。受動態をいつ使えばいいのかについて学びます。

Today’s dialog

自分の英語の発音が不安なモモが、スミス先生に相談します。

Momo: Mr. Smith, I’m worried about my English pronunciation. It’s nowhere near good enough!

Mr. Smith: Huh? Your pronunciation is excellent, Momo.

Momo: But I want it to be perfect, just like a native speaker.

Mr. Smith: But you know, English is spoken in many different countries, and the native speakers of each country have their own distinctive accent.

Momo: So you’re saying that there is no single model of perfect English pronunciation?

Mr. Smith: That’s right. And even within a country, like England or the United States, people speak with very different accents. So you should relax!

Momo: OK, I’ll stop worrying about perfect pronunciation and focus on enjoying speaking English.

英訳練習

本日のテキストを英訳してみましょう。文章をクリックすると英文例が表示されます。

スミス先生、私、自分の英語が不安なんです。全然できるレベルじゃないんです!
Mr. Smith, I’m worried about my English pronunciation. It’s nowhere near good enough!

えぇっ? あなたの発音はすばらしいですよ、モモ。
Huh? Your pronunciation is excellent, Momo.

だけど、私はネイティブスピーカーのように発音を完璧にしたいんです。
But I want it to be perfect, just like a native speaker.

でも、いいですか、英語はさまざまな国で話されていて、それぞれの国で生まれ育った話し手は、その国特有のアクセントがあるんです
But you know, English is spoken in many different countries, and the native speakers of each country have their own distinctive accent.

ということは、先生は、完璧な英語の発音の手本などひとつもないとおっしゃっているのですね。
So you’re saying that there is no single model of perfect English pronunciation?

そのとおり。それに、イギリスやアメリカのような国の中でも、人々はとても異なったアクセントで話します。ですから、あなたも気楽に構えるべきですよ!
That’s right. And even within a country, like England or the United States, people speak with very different accents. So you should relax!

分かりました。私は完璧な発音にこだわることをやめて、英語を話すことを楽しむことに専念します。
OK, I’ll stop worrying about perfect pronunciation and focus on enjoying speaking English.

WORDS & PHRASES

pronunciation  発音
nowhere near  ~と大きくかけ離れて、~に遠く及ばない
native  母語の、その土地の
distinctive  特有の、独特の
model  手本、模範
worried about  ~を心配してる
focus on  ~に集中する、専念する

For Deeper Understanding ~より深い理解へ~

全然満足できるレベルじゃないんです!
It’s nowhere near good enough!

nowhere near … は「~と大きくかけ離れて、~に遠く及ばない」。強い否定。よく使われます。

ということは、先生は、完璧な英語の発音の手本などひとつもないと仰っているのですね。
So you’re saying that there is no single model of perfect English pronunciation?

you’re saying that … は「~と言っているのですね」。相手の発言の真意を確認するのに便利なフレーズ。

私は完璧な発音にこだわることをやめて、英語を話すことを楽しむことに専念します。
I’ll stop worrying about perfect pronunciation and focus on enjoying speaking English.

いろいろなポイントのある文。I’ll stop では「意思の will(~するよ)」が使われています。stop の目的語は worrying と動詞 -ing形。to 不定詞は選べません。and 以降の focus が原型なのは I’ll の後ろに続いているから。focus(集中する)は concentrate(集中する)よりも、集中力が強い感触です。focus は「焦点」ですから。

REAL GRAMMAR FOR COMMUNICATION~会話に役立つ文法~

受動態の学習の最後に、受動態についてひとつだけ注意を。それは受動態には使うべき場所があるということ。受動態と通常の能動態のどちらが多く使われるかといえば、それは圧倒的に能動態です。能動態の表すことのできる内容なら能動態優先。
例えば I love you. と言えばいいところで、You are loved by me. という必要はありませんし、奇妙に響きます。能動態ではうまく言えない内容 それが受動態の生息域なのです。
その最たる例が本日のキーセンテンス。
English is spoken in many different countries.

この内容は能動態ではなかなか表すことができません。能動態なら「誰が話すのか」を言わなくてはなりませんから。「誰が言ったのかわからない・言えない」ケースでは受動態優先となります。
また、英語は主語の大きな頭でっかちの文を極力避ける傾向にあります(to 不定詞主語の文の代わりに it … to が多用されることも以前紹介しました)。「能動態文では頭でっかちになる」も受動態が使われる動機になります。

下の文では( )内の長い主語の能動態より受動態の方が自然に響きます。
(The tremendous support I have received from my family has encouraged me.)
I have been encouraged by the tremendous support I have received from my family.

もう一つ別の例を。

It is often said that English is a difficult language.

この文を聞いて「一般的に言われているんだなぁ」と思いますよね。能動態は「~さんは言いました」とならざるを得ないため、一般性は生まれません。受動態は「誰が言ったのか」が伏せられるので、発言に一般性が生まれるのです。

GRAMMAR IN ACTION  ~文法の実践~

Mosquitoes are found around stagnant water.

誰が見つけるのかを述べるのは不可能。受動態の独断場。mosquitoes は無冠詞複数。「蚊」一般を表す表現です。stagnant(よどんだ・流れのない)。

We have been delighted by the response to our fund-raising campaign.

能動態文 The response to our fund-raising has delighted us. は頭でっかちの不安定な文。受動態でスッキリした文を作りましょう。delighted は「喜んで」。

It is often said that information is power.

it is often said … (~としばしば言われる)はよく出てきます。口癖にして覚えましょう。

CHECK THE POINT  ~練習問題~ 

The Egyptian pyramids ware built over 4,500 years ago.


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