津軽三味線の特徴 棹と銅

津軽三味線

津軽三味線本体の寸法は義太夫の三味線とほぼ同じです。

棹材には稽古用として花梨(かりん)、舞台用で高級なものになると紅木(こうぎ)を用います。

後者の方が材質が固い為音質が良く、棹の摩耗(勘減り)があまりありません。。

通常は棹を三分割できる構造になっており、継ぎ目に「金ホゾ」と呼ばれる金細工を施してある三味線もあります。

胴材には花梨を用いています。大きさは五分を標準とし、四分大、六分大のものもあるが、明確な規格はないようです。その内部に「綾杉」という綾目模様が彫り込んであるものが高級品で、この綾杉を施していない胴を「丸胴」と呼びます。

金ホゾと綾杉のいずれも、音響工学的には無根拠だといわれていますが、音質が違うと感じる奏者が多い。(自分もそう思っています)

基本的には注文生産と言われていますが、最近は既製品も多くあります。

別注品は奏者と職人の人間関係が大切です。原木よりも職人の技術料が高価である他、高い信頼関係があれば随意割引きなどが行われるため、市場価格は一概に言えません。

ごく一般的に言えば、紅木・丸胴・金ホゾなしでおよそ15万円から40万円ほど。

中級クラスで50万~80万円、非常に高級なものでは500万円を超えることもあるが、200万円を超えるような場合は、音質よりも工芸品的価値(見た目)が優越することが多い。

また、一般に運指による棹の摩耗や皮の張り替えによる胴の摩耗が激しいため、ヴァイオリンにおけるストラディバリウスのようなヴィンテージは存在しません。

よく言われる「一生もの」の三味線というものは存在しません。三味線は消耗品であって、買い換えるものであるというのが津軽三味線における常識です。

 

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