Grammar Better Conversation ~wishとhopeの使い方~ 復習
「望む」という意味を持つ2つの動詞、
wishには基本に「実現しそうにないこと・可能性がないことを望む」という機能
wishで文法的超能力を使わないために
旅行先の友人からの絵はがきに次のフレーズが。
I wish you were here!
これは「私は望みます、ここにあなたがいたら!」
〈wish +現実である時制をひとつ押し戻した節〉というのが、非現実的な望みを表すパターン
現在完了や過去の時制を過去完了に押し戻す例
I wish I had been there!
(あのときあそこにいたら〈行っていたら〉よかった!)
未来についての非現実性も表せる
雨続きで、今週もまた予報は雨。あがってくれればいいけどしかたがない、という気持ちは、未来を表す助動詞 will の自制をひとつ押し戻して、ため息と共に、
I wish it would stop raining this week. (雨止んでくれないかな)
I wish (that)のパターンは過去・現在・未来について使える
というわけで過去完了形、過去形、そしてwouldがあれば、過去・現在・未来についての実現しそうにない希望を、次のように語ることができます。
[過去]ああ、昨日は天気がもっとよければよかったのに。
Oh, I wish the weather had been better yesterday.
[現在]ああ、この天気、もっとよければいいのに。
Oh, I wish the weather were [was] better.
[未来]ああ、この天気、今週はよくなればいいのに。
Oh, I wish the weather would get better this week.
I wish I wereかI wish I wasか
wishの節でbe動詞を扱うときは、
I wish he were a better person. または
I wish he was a better person.
(彼がもっといい人だったらいいのに)のように2通りの言い方
I wish you were , I wish they were
だけでなくI wish I [he/she/it] wereと汎用されて、仮定法であることを明示する
会話ではI wish I [he/she/it] wasという形は頻繁に使われ、
カジュアルな場ではwere用法がまぶしすぎるというケースも多々あります。
ただ、フォーマルな場や文章を書くときにはできれば、このwas使用は避けるとよい、とアドバイスさせてください。
カジュアルな場ではI wish I [he/she/it] was
フォーマルな場ではI wish I [he/she/it] were
hopeには基本に「実現しそうなこと・可能性があることを望む」という働きがあります。
I hope (that)で現在までのことについて希望してみる
外国からお客さんが来て滞在しているという想定です。
I hope you are enjoying your stay.
滞在を楽しんでいらっしゃるといいですが。
これは、現在のことに関する希望や確認をする、あるいは様子をうかがう表現です。
次は、過去のある時点から現在まで継続していることを希望しています。
I hope you’ve been enjoying your stay.
いらして以来、滞在を楽しんでいらっしゃるといいですが。
次は、「滞在が終わるところ」、あるいは「滞在が終わったところ」という状況です。
I hope you have enjoyed your stay.
今までの滞在を楽しまれたならいいですが。
次は、「過去となった」という実感を持った言い方です。
I hope you enjoyed your stay.
滞在を楽しんだならいいのですが。
節を導くthatは会話では通常省略します。
I hope +現在形でこれから先のことについて希望できる
外国からお客さんが来てこれから滞在を始めるという状況なら、
I hope you enjoy your stay.
滞在を楽しんでください。
という言い方が口語的で標準的です。
未来に希望する内容をyou enjoy your stayという現在形の節で加えています。これは、『未来のニュアンスを持つhopeの力に任せておけば、あとは当然そうなります』といったニュアンスがあり、たとえ滞在する予定が一年先であっても、この言い方で事足ります。
I hope +未来形の響き
一方、節の部分を未来の文型で次のように表すこともできます。
I hope you’ll enjoy your stay.
滞在をお楽しみください。
これから起こることをwillで表すわけですから、理屈に合っています。
ただ、hopeの持つ未来のニュアンスと、節の未来のムードが一緒に作用して、内容によっては、そして特にwillを’llと省略せずに使うと、改まったフォーマルな調子が生まれます。
例えば、I hope you come to the show.とI hope you will come to the show.とを比べると、後者には、「あなたはショーに来ることに抵抗感があるので、ぜひ来るという意志を使ってくれるとうれしい」といった意味合いが生じます。
ヒット曲「イマジン」の、I hope someday you’ll join us.
「いつの日かあなたがそうなってくれれば…待っていますよ」という気持ちが感じられます。
そうしたニュアンスがhope+現在形にはありません。
I hope + be動詞の場合
結婚した娘に父が、幸福を祈る言葉を贈りたいとき、次のどちらが適切でしょう?
1. I hope you are very happy!
2. I hope you’ll be very happy!
hopeに未来のニュアンスがあるとはいえ、you are very happy
(今、とても幸せな状態である)という、一般動詞にない『現在の存在感』がデ~ンと控えているので、全体で「あなたは今とても幸せだといいなあ!」という意味になります。
意地悪く解釈すれば、「あなたは私の反対にもかかわらず結婚した。さぞいい気分だろうね」と皮肉をぶつける言い回しにもなりかねません。
そこでここは、「あなたの現在の状態ではなく、これからの状態が大変幸福である」という意味を表す節が必要になります。そこでyou’ll be very happyを採用して、
I hope you’ll be very happy!
あなたがとても幸せになるように願っています!
I hope toの持つピリッとした響き
1. I hope I see you again soon. (また会えるといいですね)
2. I hope to see you again soon. (またお目にかかりたいものです)
この2つの言い方の意味合いをある程度訳出しましたが、
1. は一般的、2. はやや改まった、ピリッとした響きがあり、ビジネスシーンの最後の挨拶によく使われます。
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